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2007年6月

マカオについての公開講座

六月二十九日金曜日、城西国際大学人文学部国際文化学科主催の公開講座で以下のようなことを話しました。

マカオと日本の深い関係 

-マカオから世界が見える-

            塩出浩和

                  2007.06.29

Ⅰ 中華人民共和国澳門特別行政区とは?

16世紀中ごろ、明朝の時代にポルトガル人が住み始めた。

1887年、リスボン議定書と葡清友好通商条約により、清

 はマカオのポルトガルによる「永駐管理」を認める。

(実質的にポルトガルの植民地となる)

19991220日、中華人民共和国によってマカオにおけ

 る主権の行使がポルトガルから回収される。同日、特別

 行政区成立。

・主要産業はカジノ。世界一。(2006年のカジノ売上高は

 ラスベガスを抜いた)

・朝鮮民主主義人民共和国との深い関係・・・高麗航空の

 平壌-マカオ路線、Banco Delta Asiaの北朝鮮関連口座、

 貿易会社・旅行会社・飲食店などの存在

・人口約49万人、面積約28平方キロメートル

(世田谷区の約半分)

Ⅱ 対日貿易で繁栄 -16世紀後半から17世紀前半-

・日中両国の事情 日本・・・勘合貿易の途絶(1551年)

         中国・・・倭寇の隆盛による貿易禁止

             (「海禁」)

・約七十年間ポルトガル人が日中間の貿易をほぼ独占

(ただし、後半はオランダ人と競争)

 中国⇒日本 絹糸・絹織物・木綿・木綿織物・絨毯・

    水銀・鉛・錫・各種漢方薬・陶器

 日本⇒中国 銀(当時の日本は銀産出のピークを迎え

    ていた)・海産物

 利益率: 40-18600%!)・・・平均200-300%

・突然の終了と悲劇・・・キリスト教の禁止(幕府領で

 1612年、その他の地域で1613年)。1639年、江戸幕府

 はポルトガル船の日本来航を禁止。翌年マカオは貿易

 再開使節団を送るが、全員処刑(!)されてしまう。同

 時期に、多数の日本人キリシタンがマカオやマニラに

 脱出。彼らはマカオの建設に参加し、日本人用神学校

 も開設。

 (ただし、日本布教再開は幕末までできず)

・日本への影響・・・南蛮文化の一世紀

 ①鉄砲の種子島伝来(1543年)・・・織豊政権による

  天下統一を早めた

②フランシスコ・ザビエルの日本来航(1549年)・・

 ・西日本中心にキリシタンが増加(17世紀初めの日

 本のキリスト教徒は約30万人と推定されている)

③南蛮文化の一定の受容・キリシタン大名(大友義鎮・

 有馬晴信・大村純忠)の出現・天正遣欧少年使節

1582年、マカオで教育を受けた後にローマへ)など

Ⅲ 日本との不幸な再会 -アジアの近代化とポルトガ

  ル植民地-

・江戸時代末期・・・マカオ経由の・地理知識世界情勢

 情報が日本へ(魏源『海国図志』など)

・日本の中国侵略とポルトガル植民地

 1931年 満州事変

 1937年 日中戦争本格化(マカオの人口約15万人)

 1938年 広州陥落・・・マカオへの避難民流入

 1941年 太平洋戦争開始、香港陥落・・・マカオへの

 避難民激増(マカオの人口約50万人に)

・日本軍は中立国ポルトガルのマカオには侵攻せず。し

 かし、実質的に包囲。マカオ当局は親日政策を採る。

・なぜ、日本軍はマカオを占領しなかったのか?

   cf. 東ティモールは19424月に占領

 ⇒マカオの利用価値・・・日本軍特務機関の暗躍と政

  治・経済的な利用価値(戦後、中華人民共和国もマ

  カオを占領せずに利用)

  ∵情報戦・秘密和平交渉・香港ドルによる戦略物資

  の調達

・戦時下の繁栄(戦後のマカオ経済の立役者スタンレー・

 ホー氏も日本軍への物資供給で会社を発展させた)

Ⅳ 日本人観光客によるマカオの繁栄

・プラザ合意(1985年)後の円高 ⇒ 日本人観光客の

 増加と香港・広東省を含むこの地域への日本企業によ

 る投資

1997年の香港返還ブームに付随した日本人観光客の増

 加

1992年の中国経済改革加速以後は中国人観光客が激増

2001年にカジノの独占が終了

2005年、マカオの歴史的建築群と広場がユネスコ世界

 遺産(文化遺産)に登録。この前後に相次いで新カジ

 ノ、新ホテルが開業。日本からの観光客も再び増加。

2006年、ラスベガスを抜いて世界一のカジノ街に

Ⅴ マカオにおける民主主義の発展と中国の将来

・一国家二制度と台湾問題

・香港の民主主義とマカオの民主主義の違い

 ・・・敵対する香港と共存するマカオ

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香港返還十周年関連

六月二十五日頃から内外の各テレビチャンネルで「香港特集」が放映されています。例えば二十五日にはBBCでクリストファー・パッテンがHARDtalkに出演していました。そろそろ、返還前の十年を歴史として書き始めなければなりません。返還前に起きていたさまざまな動きの意味が、初歩的に検討できる時期にきています。長期的には、一世紀半の英国統治の意義が再検討されるべきです。微力ながらわたくしもその作業を進めようと思います。

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特別行政区長官の福建訪問

澳門(マカオ)特別行政区の何厚カ(「金」扁に「華」)長官は、2007年6月17日から18日まで特別行政区代表団を率いて福建を訪問します。澳門貿易投資促進局が組織したビジネスマングループが同行します。経済財政司の譚伯源司長なども同行し、福建・マカオ経済協力促進会の年次総会が開催されるそうです。行政長官不在のあいだ、政法務司の陳麗敏司長が長官の臨時代理となります。(『澳門日報』2007年6月16日の電子版による)

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藤沢でイシス更紗会(さらさえ)

湘南藤沢で京都イシスの更紗の展示会がありました。六月九日から十六日までの開催ですが、初日に参りました。初日はイシスの石田加奈氏が来店していらっしゃり、たくさんのすばらしいチレボン・サラサを楽しみました。インドネシア・サラサのデザインは完全な写実でも百パーセントの抽象でもなく、「いそうでいないあやしい人や動物」が描かれており、遊び心と宗教心の両方を感じることができました。

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広東研究会の懇親会

2007年6月12日火曜日午後5時から、中央大学多摩キャンパス二号館四階研究所会議室第一にて、第28回広東研究会(中央大学民国史研究会及び「未来志向の日中関係学」との共催)が開かれますが、懇親会の詳細が下記の通り決まりました。

時間 午後7時半から
場所 多摩センター駅前カリヨン館7階「和や」(なごみや)
会費 4500円(院生、非常勤講師などは3000円)

尚、会場は禁煙です。
懇親会に出席の方は、shiode@jiu.ac.jp になるべく通知してください。懇親会のみの出席も大歓迎です。

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珠海保税区とマカオの話題

オフショア開発(コンピューターのソフトウエアなどを海外で開発すること)の専門コンサルタントである幸地司さんのメール・マガジンに珠海保税区とマカオの話題が載っていました。珠海に進出した日本企業の話が面白かったです。日本の地方の企業が中国の地方に進出して大成功しているよい例だと思いました。以下のサイトで読めます。

http://www.ai-coach.com/

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